2011年10月 7日
「年金の基本を知って、60歳以降の家計設計」を開催しました

老後の生活費問題などを考えるウェーブ産経のサロン「年金の基本を知って、60歳以降の家計設計」が9月26日、大阪市浪速区の産経新聞大阪本社で開かれました。講師は「家計の見直し相談センター」のファイナンシャルプランナーで、行政書士でもある山田茂睦さんです。年金の仕組みや賢い家計のやり繰りなどを分かりやすく説明してくれ、会員約30人が耳を傾けました。
《年金の基礎知識》
「昭和60年の公的年金制度改革」の説明から始まりました。国民年金、会社員らの厚生年金、公務員らの共済年金などに分かれていた年金制度が、60年改正後は"1階部分"の基礎年金となる「国民年金」にすべての人が加入し、さらに"2階部分"に「厚生年金」「共済年金」が乗っかる形になりました。
年金をもらえるのは厚生年金では、生存の場合は2階から老齢厚生年金、1階から老齢基礎年金(満額78万8900円=平成23年度)が支給されます。障害がある場合は、障害厚生年金と障害基礎年金。加入者死亡の場合は、妻(または夫)に遺族厚生年金と遺族基礎年金(18歳未満の子どもがいるなど各種条件あり)が支給されることになります。
ただし老齢年金ですが、支給には要件を満たしている必要があり、次の式で導かれます。
◇保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間=25年以上
これが支給条件です。ちなみに、合算対象期間とは60年改正前に保険に入っていた期間のこと。滞納した期間は差し引かれます。滞納についても朗報があり「10年遡って支払う法案が通った。施行されたら保険料を払って条件が満たされる人は年金がもらえるようになる」そうです。

《個別の状況は「ねんきん定期便」で》
国民年金、厚生年金ともに、60歳までに25年加入している必要がありますが、これを満たさない場合は、例えば厚生年金の中高齢特例など短縮特例措置があります。この特例に該当しない人でも、国民年金なら70歳未満まで特例で任意加入できるなど、救済措置も設けられています。
老齢厚生年金の支給開始時期ですが、これは年代によって順次引き上げられており、昭和28年4月1日生まれまでは60歳からですが、36年4月2日以降の生まれの人は、65歳からとなってしまいます。
支給の金額や開始時期などについては個々の条件が影響し、複雑な計算も必要で分かりにくいのですが、これを解消してくれるのが日本年金機構から送られる「ねんきん定期便」です。これまでの年金加入期間▽老齢年金の見込額-などが明記され、まずはこれを見て、いくらもらえるかなどを把握する所から始めた方が賢明のようです。

《老後の生活設計》
老後の生活設計を考える時、検討する要素は▽年金収入▽預貯金▽余命-の3つ。生涯の年金収入が分かれば家計の計画が立てられることになります。
山田さんは「一般的には80歳ぐらいで預貯金がゼロになるケースが多い」とした上で「赤字ならば家計簿を見直すしかない。テクニックとしては固定費をカットすること」と強調しました。固定費には電話などの通信費、水道代、光熱費も含まれますが、なかでも「生命保険などの保険料はここまでいるのかという人が多い」とのこと。
「例えば、入院時に日額1万円が支給される保険に加入していたとして、40日入院すれば40万円入るが、掛け金の合計を考えると、元をとるには何回も入院しなければ不可能。ここをズバッとカットすれば、家計はずいぶん助かる。食費などの変動費をカットすると生活がみじめになるから、やめた方がよい」と締めくくりました。
(2011年10月 7日 17:16)
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