2011年8月 3日
「天神祭宵宮セミナー&クルーズ」を開催しました
天神祭の宵宮の7月24日、ウェーブ産経の「天神祭宵宮セミナー&クルーズ」が大川周辺で行われました。会員ら約40人は天神祭の歴史などを学んだあと、遊覧船で船渡御(ふなとぎょ)コースをめぐりました。
午前中は、大川近くの追手門学院大阪城スクエアでセミナーが開かれ、大阪天満宮文化研究所研究員の高島幸次さんが「天神祭のダイナミズム」と題して講演しました。
まず祭りの仕組みを三重の円にたとえ、「まん中の円は神職による神事で、氏子による神にぎわい行事がそれを取り囲み、外側の円は見守る市民で観光行事化している」としたうえで、「天神祭はこのバランスがよくとれている」と指摘しました。
また、祭りの意味については「一年のうち364日はわたしたちが参拝するが、祭りの日だけは、神様が氏地の平安、氏子の無事を見守るため巡行される」と説明しました。
天神祭は日本三大祭の一つに数えられますが、その歴史は祇園祭などより古く、本宮の人出も100万~130万人と他を圧倒していると指摘。「天神祭は夏期に流行しやすい悪疫を除去する意味を持つ」とも。
一方、天神祭前史として天満宮境内の「大将軍社」に焦点を当てました。大将軍社の創建は、白雉1(650)年と天満宮より古く、大化の改新(645年)によりできた都、難波長柄豊碕宮の西北を守るために造られました。
延喜1(901)年、左遷の詔勅を受けた菅原道真が、太宰府に船出する前、参拝したと伝えられ、その2年後、道真は太宰府で亡くなりました。
天暦3(949)年には、大将軍社の前に突如として七本の松が生え、夜な夜な梢が光り輝いたため、時の村上天皇は、これを菅公(=菅原道真)のゆかりの奇瑞として、大阪天満宮を建立させました。
そして、天暦5(951)年、流した鉾が流れ着いたところでお払いをするという「鉾流神事」が始まります。漂着した場所に神様にお出ましいただこうという神事です。これが天神祭の始まりです。
天神祭といえば7月25日が祭日ですが、現在の形になったのは明治11(1878)年と意外と新しく、時代をさかのぼると宝徳1(1449)年に7月7日に行われたとの記録があり、さらに天正15(1587)年には6月25日に行われたとあるなど、変遷をたどっています。
当初、神職と氏子らによる地域祭礼だったものが、江戸時代には全国的に知られるようになりました。
1640年代後半には、雑喉場(ざこば・現在の大阪市西区)に御旅所が常設され、そこまで船渡御をする方式になり、鉾流神事は中止されます。その後、御旅所は戎島(西区)、松島(西区)へと移動しました。
御旅所周辺の氏子たちも、やがて船渡御を迎えるための「御迎え船」を仕立てるようになります。元禄文化が花開くと、神様に喜んでもらおうと豪華絢爛な大型人形「お迎え人形」を造り、御迎え船に飾りました。その結果、大いに注目されるようになりました。
昭和5(1930)年には、鉾流神事が復活されます。戦後はデコレーションを施した船が地盤沈下のために大江橋(大阪市役所北側)をくぐれなくなったため、昭和28(1953)年から現在のように上流方向に船渡御するようになりました。高島さんは「下流がだめなら上流がある。大阪人らしい柔軟性を感じる」と称えました。
セミナー終了後は、エレベーターホールに飾られている羽柴秀吉の御迎え人形(大阪府有形民俗文化財)などを見学しました。
昼食は、ホテル京阪天満橋地下1階の「満点市場」でとりました。エビと野菜のてんぷら、豚ロース冷しゃぶサラダ、だし巻き玉子、サーモンの塩焼きなどの「松花堂弁当」を堪能しました。
午後のクルーズは、京都と大阪を結んだ三十石船の発着場だった「八軒家浜船着場」から遊覧船に乗船。ちょうど休憩中の「どんどこ船」と出くわしました。ボランティアガイド、天満天神御伽(おとぎ)衆の方の説明では、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし、手こぎで水しぶき上げながら進む様子は、勇壮そのものだとか。
船上では、本宮(25日)の船渡御の準備をする舞台船、人形船などの説明をうけました。今年は東日本大震災を受け、多くの船に被災地を励ますノボリが設置されたそうです。
天神橋から上流に向かい、飛翔橋でターンして戻るコースは、神様を乗せた奉安船と、それを守るため氏子たちが乗る供奉(ぐぶ)船。一方、飛翔橋から下流に向かって天神橋でターンするのが奉拝船で、反対側から来る神様の船をお迎えして拝むために出ているそうです。
船同士すれ違う時や、船上から岸の見物客に、大阪締めを交わしましょうと呼びかけることがあるそうです。今回そうした機会に恵まれなかったものの、一体感が生まれる“演出”が天神祭の魅力なんでしょうね。
(2011年8月 3日 16:05)
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