産経新聞ファンクラブ「ウェーブ産経」大阪事務局

「三田散策『白洲次郎と城下町』&落語を楽しむ」

  ビール醸造と「化学」という言葉の始まりは三田だった?!

DSCN7388.JPG ウェーブ産経のイベント「三田散策『白洲次郎と城下町』&落語を楽しむ」が6月11日、兵庫県三田市で開かれました。会員約70人は、さんだ観光ガイドの案内で、三田藩主、九鬼氏の菩提(ぼだい)寺で白洲次郎、正子夫妻の墓がある「心月院」などをめぐり、三田の歴史にふれました。

 会員らはJR三田駅前の市総合案内所に集合。まず、近代詩の新分野を開いたといわれる三好達治が、少年時代を過ごした妙三寺に向かいました。

 途中、商店街を歩きましたが、ガイドの方によると、以前は、明治~昭和の風情を伝える呉服店などが軒を連ねていたそうで、いまはほとんど失われたと残念がっていました。

 三好達治は、小学5年まで祖母の住む妙三寺で過ごしました。寺門横には「柿の花 狭筵(さむしろ)に散る 春の日の 少年の日も 人を恋ひゐし」との碑が建立されています。

DSCN7392-horz.jpg 大阪出身の達治ですが、多感な年頃の一時期を過ごした三田は、たくさんの思い出のある〝故郷〟だったのでしょう。

DSCN7398.JPG 次に、三田藩の家老・九鬼兵庫の屋敷跡に建てられた三田カトリック教会に立ち寄りました。途中、急な階段を登りましたが、ガイドの方の説明では「雪の日に人が足を滑らせるため『ころび坂』と呼ばれた」とか。













DSCN7397.JPG 同教会では、礼拝堂を見学できました。信心なんて縁遠い生活を送る人間ですが、神社や寺院と同じ独特の静寂、張りつめた空気に、柄にもなく身が引き締まる思いでした。

 同教会が、家老の屋敷跡に建てられた名残は、礼拝堂南の司祭館や門構えにうかがえるそうです。

 心月院への道中、白洲次郎の祖父、退蔵の出生地を通りました。白洲家は三田藩に代々仕えた儒学者の家系で、退蔵は藩校造士館の教授を務めました。

 現在、周辺はマンションや戸建て住宅などの住宅街ですが、かつては三田藩の武家屋敷が建ち並んでいたそうで、「屋敷町」という地名に往時が感じられます。

DSCN7402.JPG 心月院では、児島正龍住職から同寺の由来をうかがいました。九鬼氏といえば戦国時代、水軍で名を馳せましたが、その力は恐れた徳川幕府は鳥羽(三重県)から海のない三田に転封しました。

 同寺には歴代藩主の墓のほか、書や絵など九鬼氏ゆかりの品々が伝えられています。児島住職の案内で、藩主が客人をもてなした部屋などを見て回りましたが、2階に通じる隠しとびらのある部屋があり、びっくりしました。

 不意の敵襲から逃れるためとの説明を受けましたが、戦のなかった江戸時代でも藩主たる者は安閑とする時はなかったのでしょう。

 最後の藩主、隆義の墓は歴代藩主の墓から少し離れた場所にあります。隆義がキリスト教を信仰していたのが影響したのでしょうか…。隆義の長女、肇の墓には英文が刻まれており、当時としては珍しいそうです。

DSCN7412.JPG その近くに白洲次郎、正子の墓が並んでいます。ともに戒名はなくサンスクリット語の一文字が刻まれている。右側の次郎の墓は不動明王を、左の正子の墓石は十一面観音を、それぞれ意味する文字だそうです。

 作家、北康利の小説「白洲次郎 占領を背負った男」を原案にしたNHKドラマ「白洲次郎」の放映後、GHQのマッカーサーと対等にわたりあったとされる次郎をしのび、全国から墓参に訪れるファンは絶えず、いつも献花されているそうです。

 続いて、三田城跡(三田藩陣屋跡)、日本初のビール醸造に成功した川本幸民の出生地をめぐりました。ともに当時をしのぶものは残っていませんが、石碑が建てられ、功績が称えられています。

 幸民は幕末、藩医の川本周安の三男として生まれ、江戸で蘭学や医学を学びました。ビール醸造のほか、「化学」という言葉を日本で初めて使用したことでも知られています。

DSCN7421.JPG このあと、明治初期に建てられた洋風と和風を合わせた擬洋風建築の「旧九鬼家住宅資料館」を見学しました。当主の九鬼隆範が、洋風建築をまねて設計し、それをもとに日本人大工が建築したもので、兵庫県の指定文化財です。2階のベランダ部分と窓が洋風なのが特徴だそうです。

 隆範は鉄道技師でもあったため、鉄道の図面や手作りの製図用具、定規、設計図用の絵の具、絵皿など歴史的に貴重な資料が展示されています。

DSCN7419.JPG 隣接する「三田ふるさと学習館」では、幸民にちなみビール入りだしで煮込んだタコ、白洲次郎にちなんだしらすの釜あげなど、趣向をこらした「三田歴史弁当」と市内の茶所、母子(もうし)産のお茶を味わいました。

 昼食後は市総合文化センター(郷の音ホール)へ移動し、桂文我さんら出演の「三福寄席」を堪能しました。

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