産経新聞ファンクラブ「ウェーブ産経」大阪事務局

こころつたえ第一回「声明修行の地、魚山 三千院を訪ねる」

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 日本の伝統文化を重んじ、長く培ってきた美しい心を次世代へ伝えようというウェーブ産経の催し「こころつたえ」。この第1回目の集いとなる「声明修行の地、魚山 三千院を訪ねる」が6月19日、京都市左京区大原来迎院町の三千院門跡で開かれました。同寺執事長の大島亮幸さんが「いのちの多様性を考える」をテーマに講演。「違いを認め合うことが大切」などと訴える大島さんの話に、参加した会員約110人が耳を傾けました。

 《「こころつたえ」とは》
関西の150社寺で構成する神仏霊場会の協力を得て、宮司や住職らの講話を聞くとともに、文化財に触れることを通じて、日本人の心や生き方を再発見する試みです。

ウェーブ産経 こころつたえブログ2.jpg 《いのちの多様性を考える》
大島さんはまず、現代の日本について「子育てで偏差値ばかり気にし、良い学校へ入れることがすべてと思い、異なるものに対し偏見を持つ国になってきた。違うものを認めることができない社会。これが戦後、日本人が作り上げてきた世界だ」と指摘しました。

 そして「みんなが決めたくなる平均点。これを一度とっぱらって話をしよう」と提案。「雑草」を例に挙げ「花を育てるのに不都合なものはすべて『雑草』になるが、雑草という植物はなく、人間中心のごう慢な考え」「例えば会社でも偏差値の高い者ばかり集めてもだめだ。実は、色々なものを集めることができるのが本来の日本人。なぜなら仏教があるからだ」と続けました。

 「山や川にまで命があると考えた日本人。このアニミズム、自然崇拝に仏教がうまくつながった。仏に祈り、生かされ生きることに感謝する心。そして人間はその文字通り,人と人との『間』が必要で、一定の距離をあけるから相手のことも認められる。違うからいいという事を認めることが良い人間関係につながる」と強調しました。

こころブログ6.jpg また、自殺者が年間3万人以上いることにふれ「今こそお釈迦様がおっしゃった『死ぬな』などの五戒に注目を」「道徳で何をするべきか教えなければ。基本は家庭での教育」「科学技術で生活は豊かになっても心はすさむ」などと指摘。最後に「昔は田おこしも、冬眠のカエルが目覚めヒバリが巣立ってからやっていたが、このような思いやりが無くなっている。いかに生きてゆくべきか、しっかり考えなければならない」と締めくくりました。

 《三千院門跡の歴史》
大島さんは講演に先立って、寺の歩みも紹介してくれました。同寺は比叡山延暦寺を開山した最澄が、東塔南谷に設けた草庵(円融房)が始まりといいます。その後、寺地は移転を繰り返したそうですが、平安時代末期に天皇の皇子(親王)が入寺して以来、皇族出身者が住持する宮門跡となったそうです。

 同じ頃、大原にある寺々を管理するため政所を設けたそうで、明治になって同寺がこの政所に移転し、管理していた極楽院などを取り込んで三千院となったそうです。

 ちなみに大原は昔からお経に節をつけて唱える「天台声明」が盛んな地。中国・魚山の仏教音楽を持ち帰ったとされることから「魚山」の地と呼ばれ、同寺近くを流れる川も日本音階の呂旋法、律旋法にちなみ呂川、律川と言います。「呂律(ろれつ)が回らない」という言い回しも、ここからきたそうです。

 《古寺の風情にひたって》
こころブログ9.jpg 講話の後は、幕の内弁当のお食事。内容は▽天ぷら▽刺身▽煮物(高野豆腐、里芋、昆布巻きなど)▽炊き込みごはん-などです。食後は客殿、宸殿や阿弥陀三尊座像(国宝)を納める往生極楽院(重要文化財)などを見学。アジサイが見頃の庭園なども巡り、古寺の風情を満喫しました。
 

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