2011年6月22日
色は匂えど 姓名短歌 ◇た◇ 田中耕一(1959~ ) 2002年ノーベル化学賞受賞
田鶴高く 中外に鳴く文明の
耕種よろこび 一粒万倍
2002年のノーベル化学賞受賞者、島津製作所フェローの田中耕一さんは、実にさわやかな好印象の方ですよね。
とても世界的なスターとは思えない、やさしくて弱々しくも思えるほど生真面目な青年と申し上げましょうか。わたしの知る限り、彼に100点をつけない人は居りません。修士も取っていない学士の受賞は史上初めてだそうでございます。
彼自身は奢ることなく、ひけらかすことなく、偉大な人間はきわめて日常的な存在に見えるということが、わたしにはあらためて不思議なのです。
彼がどんなすばらしい研究を成し遂げたのか、わたしにはチンプンカンプンですが、聞くところによりますと、彼がノーベル賞を受賞した理由は「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」だそうでございます。ついでに「生体高分子」といいますのは、分子量が1万から数百万程度もあるたんぱく質分子などのことで、分子量が大きく構造も大そう複雑なために、これまで分析が困難とされていたのだそうであります。
わたしが知っている「たんぱく質」とは、せいぜい卵や魚や植物のそれのみでありますが、その種類が十万種類ともいわれるたんぱく質の構造や相互作用を解明するための総合的な研究のことで、これまで治療法のなかった疾患の特効薬を開発することもできるということです。
たんぱく質の研究は人間をはじめとする、生命すべてに密接にかかわっているのだということを聞きますと、あらためて「タンパクシツさま」に異常な関心を持たざるを得ません。華麗な栄光を浴びて世界を湧かした田中さんが「早く研究に戻りたい」とつぶやいたという話は、またまたわたしたちを泣かせるものでした。(辻歌子)
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《辻歌子さんのプロフィル》
元 公立学校教員、親子問題ライター。「姓名短歌」主宰、日本教育書道連盟教育部師範。主な著書―しんどい話やで(風発行所)息子をペースに嵌める法(学陽書房)天の師(関西書院)子供の字を上手にする本(学陽書房)どこまでいっても親子です(学陽書房)詩日和(日本文学館)共著
(2011年6月22日 13:50)
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